文字数のむこうの日録

140文字で書ききれなかったこととか

スーパーカブに乗り始めた話

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1988年撮影

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2004年撮影

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そして2018年。

 なんだかよく分からない衝動に突き動かされて再びのカムバックである。
 最初バイクに乗り始めたのは原付からのステップアップ。バイク好きの友人に影響されてクルマの免許を取る際同時に中形二輪免許を取得し、GPX250R-IIに乗り始めたのがスタートであった。遠くへと行ける自分の「足」ができたことが嬉しくてソロで、あるいは友人とツーリングに度々出かけたものだ。
 その後就職した数年後転倒事故被害に遭い、転職したりその後クルマを買ったことで乗らず放置のまま数年、ふと立ち寄ったバイク店で目に止まった250TRに乗りたくなって1回目のカムバック。しかしそれは長続きせずまたもや「持ち腐れ」て結局知り合いに売却。バイクが興味の俎上に上ることすらなくなって10年以上の月日が流れた。
 そんな時ふと見かけた「スーパーカブ誕生60周年・生産台数1億台」の文字。そして新型の発表。原点回帰とも言える丸っこい姿になぜだか興味が惹きつけられた。折しもカブに乗る友人の楽しそうな姿を見たり、幅広い様々な楽しみ方をする「カブ主」たちを見たりするなどしてだんだん「外濠」が埋まり始めたのを感じていた。
 しかし最後まで逡巡したことがあった。それは齢50を超え、数年前から感じている体の不調。体力の衰えだけでなく集中力の減退が気になっており、意図せずともバイクの運転には影響をおよぼすのではないかという「怖さ」が拭いきれないというものである。結局は特に対策をした訳でもなくカムバックに踏み切ったのであるが、まずは自分の状況をよく知り見極め、決して過信せず無理をしないというところを徹底するしかないと考える。「若くはないが老け込むのも違う」というところ、言葉通りの「年相応」という難しい命題に立ち向かわなければならぬのだな。

 そして。

 過去とは違いネットがあればバイク店も実勢価格も在庫も検索して知ることができる。常連がたむろしていたり強面の主人が真っ黒になって作業していたりする見ず知らずのバイク店に勇気を出して突撃して初めてスタートが切れる時代ではないのは幸か不幸か。そうして見つけた在庫を持つ店舗で実物を見て購入をその場で決めた。代金はカメラ・写真機材を買うためにプールしてあった貯金を使うことにして現金をおろしてきた。
かくして一人の「カブ主」誕生と相成った次第。

 キーを挿しスタート位置へ。聞きなれないフュエルインジェクションの作動音を聞きつつセルを回してエンジン始動。聞き慣れたあの音がする。シフトを1速に。スロットルを回すとグンっと走り始める。久しぶりのバイク、これまた久しぶりのヘルメットに囲まれた景色はなんだか新鮮に感じる。新鮮といえばクラッチのないカブのシフト。左のハンドルにレバーがないのはなんだか心もとないというか。クラッチを切ってシフトを操作し、またクラッチを繋ぐその動作を覚えているだけにシフトペダルだけで変速していくのは何となく妙な気分になる。以前乗っていたのは250ccなのでその半分以下というのは初体験。それも含めいろんなことが一気にやってきてバイク店から自宅までの回送は無我夢中であった。

 これを書いているのはまだ納車1か月にも満たず、また寒波の影響でまだまだ全然乗れていない状況なのでここまで。今後「カブ主」として、あるいは「カムバックライダー」としてどうなっていくかは全くわからないがまずは経緯を留めおこうというのがこの文章である。

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